兼学塾では、希望者以外には宿題を出しません。高校受験生の場合、以下の理由からです。
・勉強ができない理由は、教材の量が少ないからではない。
一番の理由はこれです。中学の定期テストの前は大量の宿題が出ますし、レポートや検定試験の勉強などもあります。学校や検定試験の教材に取り組めば、十分な基礎学力がつきます。しかし、忙しい中学生活で、疑問点を考えたり、解き直しまでやるのは、とても大変です。兼学塾では、まずは、学校の理科・社会のワークを解き直す、漢字テストを頑張る、英検3級の勉強をする、など当たり前のしっかり勉強をやるように、繰り返しお知らせで伝えています。
・指示に従うだけで中学受験や高校受験に合格すると、高校以降に伸び悩むことがある。
高校では、細かい指示を出さない先生もいらっしゃいますし、教科書準拠の問題集など便利な教材はあまりありません。分かりやすい授業を聞き、大人が適切に選んだ教材を勉強するだけで進学校に合格するのは、能率が良いようでリスクが高いです。高校受験の段階では、学校や塾で質問しながら、多少失敗しても自分で勉強してみることが大切だと思います。
・成績不振の生徒さんの場合、デメリットが無視できない。
勉強ができないのは、ヤル気や練習量というより、日本語の読解力の不足、基礎知識の欠如、体調不良など根本的な問題にあることが多いです。無理に家庭学習をさせることで、答えの丸写しなど物事をごまかすことが習慣になってしまったり、ご家族との関係が悪化するなど、負の影響が出てしまうことがあります。これらは、勉強ができないことより大きな問題です。
宿題は出しませんが、毎月のお知らせや授業で、一人一人に家庭学習のやり方をくりかえし伝えています。また、おすすめの問題集を渡したり、学力が高い生徒さんには通信教材や集団授業をすすめるなど、学習環境についてアドバイスしています。要は、学力や性格に合った環境を整え、生徒さんが「何を勉強するべきか」イメージできるようにするということです。