この時期の中学受験生には、月初めのお便りで、よく以下のようにアドバイスしています。
・過去問を解くときは、制限時間を5分縮めて解く。
・時間配分や、どの問題から解くかを意識する。うまくいかなかったら、間違い直しの時に改善策を考える。
・「あと少しで解けた問題」「問題集で見たことがある問題」を解けるようにする。計算ミスやあやふやで間違えた問題は、原因を確かめて解きなおす。
・算数の各大問の1問目は、数値を書き出せば解ける問題が多いので、難しそうでも手を付ける。
・記述問題では、採点者が読める答案を書く。
中学受験生は家庭学習で過去問演習ができないこともありますが、その場合は塾などでやる方がいいと思います。真面目に解かなかったり解答を丸写しするなど、問題行動が起こりやすい時期ですが、ことの重大さが分かっていないだけで、深刻になりすぎない方がいいです。
算数の記述問題では、塾で習った図や記号をそのまま使い、暗号のような答案を書く受験生がよくいますが、本当に読めず採点不能なことがあるので、図や文字の説明を書く習慣をつけておく方がいいと思います。国語でも、小学生の答案では、主語と述語の対応や文のつながりなど、日本語の間違いがよくあります。出題意図を考えず、問いに関係ありそうなことを整理せず盛りこみ、読みにくい答案も多いです。問題文の正解の箇所を探すことだけに意識が向かないように、読み手を意識することをアドバイスしています。
ただ、上記の箇条書きは、受験生の性格によっては当てはまらないこともあります。例えば、手を動かして算数の難問を当てるのが好きな受験生は、数列や図形の応用から解いてはずみをつける方がいいかもしれません。塾やネットの情報にふりまわされず、学力や性格に合った作戦を講師と考えることが大切だと思います。