東京・神奈川の中学受験まで、あと1週間ほどになりました。塾では、今週、最後のお便りをお渡しし、受験生を送り出すことになります。中学受験生には、最難関校を受けるような早熟な受験生を除き、大人と同じ情報収集力や計画性はありません。それにも関わらず、本番では制限時間が短く、出題範囲が広く、長文の記述問題を出題する中学もあります。長年、受験生と一緒に受験勉強を走ってきて、中学受験では、高校受験や大学受験と比べ、まさかの合格やまさかの不合格が多いと感じます。入試の合否や入学後の成績は、受験生本人の努力や心がけだけでは、どうにもならないことがあり、不本意なことがあっても、中学受験はそういうものだととらえることは必要だと思います。
さて、中学受験の直前期、塾では以下のような方針をとっています。
・苦手科目の克服にこだわらない
中学受験では何が出題されるか分からないので、やはり苦手科目は取りにくいです。また、苦手なことばかりやると、「難しい」「準備できていない」というマイナスのイメージを持ってしまうのが心配です。
・過去問対策や、説明会の予告に対応しすぎない
中学受験の勉強では過去問演習が重視されますし、学校によっては本年度出題される分野が予告されます。塾では、冬以降、もちろん過去問や説明会の資料に基づいて対策しています。ただ、算数や国語の学習ペースを維持したり、理科・社会の知識の復習にも時間を使っています。中学受験では、リテラシーや応用力を試す問題が多く、志望校の傾向を暗記するような勉強に偏ると危険です。
・普段の雰囲気で
兼学塾では、スマホなどの持ち込みは自由ですし、何かを押し付けて表面的に勉強させることはしません。一見、すごくぬるい塾です。中学受験生の直前授業でも、受験生や優等生だけ集めて雰囲気作りをするなど、普段と違うことはしていません。受験生を特別扱いすると、「受からないと大変かもしれない」「がんばらなくちゃ」というプレッシャーを与えてしまうかもしれないからです。自分が必要だと思うことを周りのせいにせずに勉強する、という方針は変えず、それで合格する学校が、そのお子さんに向いた中学だと考えています。