近年の高校受験や大学受験では、推薦や総合型選抜など、従来の筆記試験以外で受験するのが一般的になっています。兼学塾でも、志望動機などについて添削していますが、ボランティアや研究活動などの特記事項で書くことがないと悩んでしまう受験生がいます。
現在の中学・高校では、授業や課外活動を普通にこなすだけでも忙しく、個性的な体験をしている余裕など、普通の学生にはありません。東大などのトップ校を目指すのでなければ、学校の授業や部活動で何か二つ程度がんばり、活動を通じて学んだことや、進学後に取り組みたいことを話せれば十分です。また、留学やインターンなどアピールしやすい経験をするには、家庭の経済力や社会的な力があると有利で、その点を問題視する論客もいますが、実際にはあまり気にすることはないと思います。今の日本では、大学や企業が様々な催しをしたり、奨学金や助成金などの制度もあります。やりたいことがあったら、関係機関や行政、学校などに問い合わせてみましょう。
下は、北区社会福祉協議会の広報誌「きたふくし」の今月号で、受験生チャレンジ支援や子ども・若者基金について説明が載っています。勉強したいこと、取り組みたいことがあっても経済的に厳しい場合は、このような制度が利用できるかもしれません。さらに北区の例を挙げると、区の広報誌「北区ニュース」で地元の高校、大学、高専などの講座の案内、ボランティアの募集、若者向けの施策などが案内されています。自分の専攻したい分野の催しに参加すれば、基礎知識が身につき、知り合いもできます。何をやるべきか分からない、といった状況でも、これらの広報誌を読んで、興味があることに参加するだけで、見聞が広がります。
有利な環境にいなくても、行政、学校、企業などの支援制度や催しを活用し、さらに動いていけば、指導者を見つけたり、活動の実績を積むことができます。仮にうまくいかなくても、「親や先生に相談して」「問い合わせ」「参加して」「挨拶して」「学んで」「発表して」といった経験そのものが、中学生や高校生にとっては非常に大きく、大学以降の学びや就職で役立ちます。「格差」「親ガチャ」「地頭」のような言葉に惑わされず、不安なことや分からないことは学校や塾で相談して、前向きに受験の準備をしていきましょう。