埼玉・千葉や入寮可能な中学では、冬休み明けから入試が始まり、あと1ヶ月後にはおおむね終わります。東京都内の中学を第一志望にしている場合、1月入試は練習の位置づけにしているご家庭が多いと思いますが、兼学塾では都内の入試が不合格だった場合、1月入試の合格先に進学するのか確認するようにしています。また、できれば武南や浦和実業など、北区から無理なく通える中学を併願するようにおすすめしています。都内在住の方には耳慣れなくても、どの学校でも、少人数教育や特色がある取り組みなど、カリキュラムを工夫しています。また、密でない住宅地に学校が立地し、広いグラウンドが併設されている中学では、災害時のリスクが低いというメリットもあります。
中学受験は、高校受験や共通テストに比べると何が出題されるか予想が難しく、制限時間が短いこともあり、まさかの不合格が起こりやすい試験です。都内の入試で不合格になったとき、公立中に進学するのか、1月入試の合格先に進学するのかは、入試が始まるまでにご家族で話し合っておくほうが良いと思います。「すべりどめにしか入れなかった」という気持ちで進学すると、入学後、その学校が第一志望で、希望に満ちて入学してくる友達と合わなくなる危険もあります。結果が出る前から、ご家族で説明会の資料に目を通し、それぞれの中学の長所を共有していると安心です。
入寮が前提の中学に進学する場合は、交通費など、学費や寮費以外の支出も大きくなり、慎重に検討する必要があります。また、遠隔地の学校に進学すると、ご家族や地元の友達と離れて6年間過ごし、卒業後は高校の友達とも生活圏がバラバラになります。いじめや成績不振などの問題を自分で解決し、大学受験で浪人しても一人でがんばれる、という自覚が御本人にないと、あまりおすすめできません。ただ、スマホ依存になりにくい、自習時間が確保されている、大人になっても付き合えるような友達をつくりやすいなど、メリットも大きいです。
入試直前に不吉なことばかり書きましたが、中学受験生は大人と感覚が違います。1月入試で不合格になって初めて「これは本番なんだ」と気付くほど楽観的な受験生もいます。逆に、どこも受からなかったらどうしようなど、自分を過小評価して悲観的な思い込みをしてしまうこともあります。受験生本人には、「リスクを言葉で表し、選択肢を挙げて、選んだ進路の良いところを見つける」という行動は難しいのではないか?と良い意味の疑いを持ち、漠然とした不安を取り除くのが大切だと思います。