兼学塾の本棚には、高校のレポートの資料、小中学生の読書感想文用の本、小説、漫画、各種の参考書などが置いてあります。授業で使わないものは、自由に読んだり借りたりできます。読解力の向上や知識の習得も狙いですが、それぞれの生徒さんについて、多角的に理解する機会にしています。
例えば、生徒さん本人が「中学受験をしたい」と言っていて、おうちの方が全面的に協力しているのに、塾ではボーっとドラえもんを読んでいたり、こちらの話を無視して漫画を読み続ける場合は、赤信号だと認識しています。勉強したいと言っていても、自分でも気づかないで頭を休めていたり、ちょっとした刺激で学習ペースが乱れる場合は、受験の結果だけではなく中学入学後も心配です。
漫画に目もくれないか、不真面目でも浅井リョウや彩瀬まるなど背伸びした小説をチョイスしていれば、小6の夏くらいまでテストが苦手でも、最終的には入試で必要な学力に達することが多いです。もし中学受験に間に合わなくても、ペースを乱さず努力できるタイプや、大人びて理解力が高いタイプは、あまり大人が干渉しなくても伸びていきます。また、採点しているちょっとの間など、隙間時間でスラムダンクや鋼の錬金術師を読んで息抜きするような生徒さんは、中学入学後も安定しています。
本棚占いが全てではないですが、テストの得点、学校の成績表、大人から見える友達関係などでは分からないことがあって当たり前という意識を、常に教える側が持たなければならないと思っています。
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