都立高校の推薦入試に出願するべきか、生徒さんから質問があるとき、基本的には「受けたほうがいい」と答えています。また、推薦入試にチャレンジできるように、作文や記述問題を前期から練習しています。理由は以下の3点です。
・一般入試の下見になるため。
説明会で校内を見学することはできますが、やはり入試では雰囲気が変わります。また、朝の通勤時間帯に実際に移動し、混み具合を確かめられます。
・面接、集団討論、作文などの体験ができるため。
現在の大学受験や就職活動では、表現力や思考力が重視されています。高校受験で推薦入試を受けると、入学の段階で、高校生活で身につけるべき能力を把握できます。また、学力が高く、人柄もよく、様々な点で見本となるような生徒さんが推薦で落とされてしまうこともあり、「どこを見ているんだ!」と言いたくなることもありますが、そのような理不尽さを人生の早い段階で体験することも大切だと思います。
・推薦入試の日程までに、国語力を身につけられる。
推薦入試を受ける場合、まず基礎的なトレーニングとして、文章の要約や、論理的な文章を書く練習が必要です。兼学塾では、推薦入試の練習として、一般入試の国語の作文問題や、理科や社会の記述問題も取り上げています。文章や資料を正確に要約し、自分の意見を書けるようにすることで、一般入試で必要なスキルが身につきます。
ただ、あまり推薦入試に乗り気でない生徒さんには、「不合格でダメージを受けてしまいそうなら、やめたほうがいい」と補足しています。真面目で物事を気にする性格だと、事前に都立の推薦入試の難しさを説明していても、「面接や作文で否定された」と思い込んで落ち込んでしまうこともあります。対人関係で繊細な年頃なので、面接が恥ずかしいなど、ご本人が負担に感じていたら都立高校の推薦入試は受けないほうがいいと思います。